革新的な巨大ナノ膜の応用製品を開発する (株)ナノメンブレン
化石燃料の使用により排出されるCO2を低コストで分離し処理する技術は地球温暖化を防ぐために不可欠だとされています。また、大気中のCO2を経済的に回収・活用することができれば魅力的な革新技術となります。膜によるCO2分離はこれらの技術課題を解決する有力な手段です。当社は現在、Ambient and Ubiquitous(そのまま、どこでも)、つまり大気中から燃焼排気ガス中にわたる幅広い濃度範囲のCO2を対象として、場所を問わずに温和な条件下で分離できる膜を開発の対象としています。
(株)ナノメンブレンは、理化学研究所での研究成果である巨大ナノ膜の発見を実用技術へと展開することを目的に設立されました。当初は中温作動型の燃料電池開発を主な事業としていました。2012年の事業所移転をきっかけに、巨大ナノ膜の特徴を生かした幅広い膜機能の開発へと、その開発目標を変更しました。最近開発に成功したナノ膜は従来の分離膜に見られない次のような特徴を持っています。
・無欠陥でナノ厚みであることから生まれる高いガス透過性
・ポリマー材質を適切に選択、設計することによる良好なガス分離性
・巨大ナノ膜(面積はマクロで厚みはナノ)の技術を生かした扱いやすさと実用的なポテンシャル
これにより、広い濃度範囲のCO2を常温、低圧で効率的に分離するナノ膜の開発が可能になると期待しています。この技術は低炭素社会の実現へ向けての有力な手段となり、さまざまな分野でのCO2マネジメント技術へと展開されていくでしょう。また当社のナノ膜技術は他ガス種の分離へも適用可能です。低圧(大気圧)でのガス分離は、様々な応用展開が可能です。国内外の企業、研究機関とも協力して、当社の基礎技術が幅広い分野で活用されることを目指します。
皆様からのお問い合わせを歓迎します。
What's New
- 2021/12/14 ナノ複合化分離膜の論文が出版されました
- 2021/10/11 CO2回収に有用なナノ複合膜の特許が公開されました。 特開2021-159915
- 2020/10/1 CO2回収(Direct Air Capture)の実用化をテーマとして、国家プロジェクトへの参加が決まりました
- 2016/1/27 東京応化工業(株)との共同開発により、ナノ膜の大面積化に成功しました
- 2017/9/27 理研ベンチャーとしての認定期間が終了しました
- 2012/10/10 当社が日経ビジネス2012年10月8日号の特集「次世代ベンチャー100」で紹介されました
- 2012/05/10 本社ならびに事業所を移転しました
- 2012/3/1 九州大学との共同研究契約を締結しました(現在に至る)
- 2010/07/26 NEDO新エネベンチャー技術革新事業に採択されました
- 2010/02/25 財団法人三菱UFJ技術育成財団より表彰されました
- 2010/02/04 日経産業新聞に当社の記事が掲載されました
助成実績
No | 受託先 | 受託日 | 期間 | 金額(税込) | 事業名称 | テーマ |
1 | 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | 2008/6/13 | 2008/6/13-2009/3/19 | 9,992,850 | 新エネルギーベンチャー技術革新事業 | 全固体リン酸型電解質膜の技術開発 |
2 | 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | 2009/6/15 | 2009/6/15-2010/2/28 | 9,985,500 | エコイノベーション推進事業 | ナノ電解質膜による燃料電池中温作動化の調査研究 |
3 | 財団法人三菱UFJ技術育成財団 | 2010/2/25 | 3,000,000 | 研究開発助成金 | 革新的性能を持つ次世代燃料電池の開発 | |
4 | 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | 2010/7/26 | 2010/7/26-2011/5/31 | 10,000,200 | 新エネルギーベンチャー技術革新事業 | 中温作動型全固体燃料電池の技術開発 |
5 | 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 九州大学より再委託 |
2020/10/1 | 2020/10/1-2030/3/1 | ムーンショット型研究開発事業 | CO2分離膜の実用化 |